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自分を労うためのシャンパン選びは、「美味しそう」と値ごろ感がポイント。美味しさに納得できて未飲のシャンパンでこそ、発見する楽しみと充実感を味わえるからです。スペックや評価など期待のポイントに分けて、お買い得感のあるシャンパンをご紹介。期待とワクワクを持って飲み満足すれば、明日へのエネルギーをチャージできる週末になるでしょう。

自分へのご褒美にピッタリのシャンパンとは

当店で扱っているシャンパンは全て美味しいです。だからどれを買ってもある程度の満足は得られます。
その前提のもと、頑張った自分を労うため最大限の満足を得たいのであれば、「自分へのご褒美のためにシャンパンを選ぶ」という手間そのものに意味があります

「美味しそう」だからこそワクワクする

ワインの購入方法は「自分で選ぶ」「誰かに選んでもらう」「運を天に任せる」の3つ。その上で自分で選ぶなら、「リピート」か「新たな傑作への挑戦」の2択です。
お気に入りのリピートは安心ですが、初体験の感動はありません。一方で未飲のものを選べば、予想を遥かに超える美味しさに出会える楽しさがあります。

だからこそ自分へのご褒美には、「美味しそうな未飲のボトルを、理由を持って選ぶ」のが最大のポイントです。

「美味しそう」なシャンパン 4つのポイント

「美味しそう」の理由にロジカルに納得できるよう、本特集では次の4つのポイントに注目しました。

  1. 長い瓶内熟成の期間
  2. グランクリュの表記
  3. 専門家による高い評価
  4. レアなシャンパンのスタンダード

なぜ重要なのか、どんな味わいが期待できるのかを、おすすめのシャンパンとともにご紹介します。

値ごろ感があってこそ楽しい

高価なシャンパンが美味しいのは当たり前です。「ドン・ペリニヨン」や「クリュッグ」のような有名高級銘柄は、美味しくて当然ゆえに、価格に対する期待値を超えにくい側面があります。

美味しそうな理由に納得できるのに、家飲みできる現実的な価格であること。週末に開ける1本なら許せる値段であるからこそ、傑作に出会った時の充実感は倍増します。

ワインの中身の期待値は高く、値段からのハードルは低く。このギャップが満足度を高めてくれます。


長期熟成がもたらす豪華な風味に期待!

シャンパンの瓶内熟成期間は、確認しやすく客観的に比べやすい指標です。必ずしも長い方がいいというわけではないとはいえ、長期熟成がもたらす豪華な風味は、ご褒美としての満足度を高めてくれます。

長期熟成の風味とは

瓶内熟成が長いほど、トーストやブリオッシュ、パン種のような複雑な香りや旨味を感じるようになります

シャンパンはまずベースとなるワインをつくり、それを1本1本の瓶の中で再発酵させて、泡を閉じ込めることによりスパークリングワインとなります。その2次発酵の際に生じた澱(おり)は瓶内に沈殿しますが、瓶内熟成の期間に自己分解し、アミノ酸となってワイン中に戻っていきます。こうして酵母に由来する豊かな風味の正体です。

規定の最低熟成期間は15か月ですが、その倍以上になる3年程度の熟成でも、自己分解の香りはごくわずかです。5年、8年、10年と長い熟成をしてこそ、ハッキリと豪華な風味を感じるのです。

例えばドン・ペリニヨン。厳密な熟成期間の規定はないものの、最低8年は瓶内熟成されます。だからこそ一口で魅了する豪華な風味があるのです。

出荷後の瓶熟成による香ばしさ

上記の瓶内熟成はシャンパンの出荷前の話です。出荷後に輸入元や酒屋などの倉庫で熟成を経た場合は、また風味が異なります。

出荷前に糖分を添加して味わいを調整(ドサージュ)されたボトルは、瓶内でゆっくりとメイラード反応が進みます。それによりカラメルのような甘く香ばしいアロマが生まれ、色合いもイエローゴールドのように濃くなります

この出荷後の瓶熟成でも、シャンパンの風味は豪華なものになります。

長期熟成のおすすめシャンパン

複数の収穫年をブレンドするノン・ヴィンテージ(NV)は熟成年の判別が難しいですが、その点でミレジメ(ヴィンテージ表記あり)は明確です。2026年現在、例えば2015年のシャンパンなら、出荷前後の熟成をあわせて約10年熟成されているというわけです。

長期熟成による豪華な風味が期待できるシャンパンを、Epicurean Paletteの豊富なラインナップから選りすぐって2本ご紹介します。

スタンダードの価格で10年熟成だと!?

多くのシャンパン生産者ならスタンダードクラスでもおかしくない価格。それで最低8年も瓶内熟成してから出荷されるという、スペックから期待が膨らむシャンパンです。
それが実現可能なのは、協同組合だからこそ。アンリ・ブランはヴァレ・ド・ラ・マルヌにて28の栽培家が集まって設立された生産者。畑の総面積は105haと、協同組合としては小規模でしょう。派手な広報に投資しない分、実力で勝負しています。ムニエの豊かな果実味をシャルドネの美しい酸味が支えるスタイルです。
長期の熟成により風味の複雑さ・豪華さを獲得しています。旨味感と長く続く複雑な余韻からは、とてもこの価格は想像できません

旨味による重厚な口当たりが高級感

15年以上も前のワインいうバックヴィンテージですが、長い瓶内熟成のおかげで今でも心地よいフレッシュさを楽しめます。
シャルル・コランはコート・デ・バール地区の協同組合。この地域は特にピノ・ノワールの銘醸地であり、その旨味感が瓶内熟成によるものと相乗効果を発揮。熟成による重厚な口当たりが最大の魅力です。
強い泡感を楽しむのではなく、むしろ少し泡が抜けてきてからが本領発揮。熟成した上質な白ワインを味わうように、口当たりの滑らかさを楽しめます。


グラン・クリュのテロワールが美味しさを約束!

「良いワインは良いブドウから」それはシャンパンでも変わりません。
多大な手間暇をかけた栽培により、良質なブドウを栽培している生産者は、シャンパーニュ地方各地にいます。ただしワインショップはどれも良さそうに説明するため、客観的に比較するのは難しいです。
だからこそ、ブドウのポテンシャルを最も簡単に判別できる指標が「グラン・クリュ(特級畑)」の表記です。

歴史が選び抜いた優良畑「グラン・クリュ」

地球温暖化が急速に進む以前、フランスの各地において「良いブドウを育てる」とは、いかにブドウを完熟させるかでした。効率的に光を受ける南向きの斜面、病気を防ぐ風通しの良さ、風味が凝縮する水はけの良さ、 そして最適な土壌構成。これらが揃う場所を、先人たちは経験から知っていました。何百年もの歴史が選び抜いた畑が、フランス各地の「グランクリュ」なのです

ただしその定義は地方により異なります。シャンパーニュ地方においては村単位で認定され、大きな村はその畑面積が400haを超えます。ブルゴーニュのグランクリュほどの特別さはありませんが、だからこそグラン・クリュのシャンパンを日常の延長で楽しめるのです。

余韻の長さに感じるブドウの質

グラン・クリュでつくられるシャンパンは「濃く感じる」というわけではありません。どう美味しく感じるかを断定的に言うのは難しいです。

グランクリュのシャンパンはどう美味しいのか。あくまで筆者の見解ではありますが、「中盤に感じる旨味が、余韻にかけて充実感をもって長く続くこと」だと考えます。特に、自社栽培・自社醸造を行う小規模生産者(RM)のボトルにおいて、その特徴が顕著に現れます。

大手も認めるグラン・クリュの優位性

有名な大手生産者のシャンパンには、あえて「Grand Cru」と表記されないこともあります。これにはグランクリュ以外のブドウも使っているからや、自身のブランドのネームバリューで勝負できるから、といった理由があります。

しかしグランクリュの大切さは認識しています。例えばヴーヴ・クリコは500ha以上ある自社畑のうちほとんどが格付けされた畑。全部で17あるグランクリュの村のうち、12もの村に畑を所有しています。

シャンパーニュ地方においても、グランクリュは良質なブドウの証であり、美味しいシャンパンへの確かな約束なのです。

グラン・クリュからつくられるおすすめシャンパン

「Grand Cru」と表記されるシャンパンは、自社畑のみからシャンパンをつくる小規模生産者(RM)のものが多いです。村ごとの明確な個性の違いを、ぜひご堪能ください。

ブジーの豊満な味わいが長く続く

グランクリュ格付けの一つブジー村は、モンターニュ・ド・ランス地区にありピノ・ノワールで有名です。シャンパンの味わいは肉厚でリッチ。ブドウがよく熟すので、赤ワインもよくつくられます。
ドーヴェルニュはその地で18世紀から栽培農家として続いてきました。20世紀初頭から自社でのシャンパン造りを始めた、長い歴史を持ちます。
力強い味わいを生むピノ・ノワールに、シャルドネで上品な酸味をプラスするスタンダードクラス。あえて瓶内熟成を長くとりすぎないことで、ブドウ本来のピュアな風味が強調され、驚くほど柔らかく豊かな余韻が長く続きます

極辛口にできる果実の充実感

「エクストラ・ブリュット」というのは、出荷前の仕上げに加える糖分(ドサージュ)が少ないことを意味します。近年は極辛口の仕上げがやや流行ですが、少なくすればいいというものではありません。果実味とのバランスが肝要です。
ブドウがしっかり熟しておりフルーツの風味が乗っていれば、ドサージュを少なくしてもバランスが取れます。ピュアなシャルドネの風味をストレートに味わえる、直球勝負のシャンパンです


プロが認める美味しさ!高評価&受賞シャンパン

「〇〇さんが美味しいと言った」というのは、ある意味最も分かりやすい美味しさの保証です。特に身近にいるグルメな人におすすめされると、試してみたくなりますよね。
先述の2つの選び方との大きな違いは、美味しそうと言える「要因」で選ぶのではなく、美味しかったという総合的な「結果」から選ぶというアプローチです。これはワイン評価メディアやコンクールを参考にするのと同じです。

しかし、世の中には評価メディアやコンクールが多すぎて、どれを信じれば良いか分かりづらいという問題があります。

玉石混合ゆえに信頼性の判別が大事

評価メディアの高得点やコンクールの「金賞」などを信頼して、購入の判断材料にすべきかどうか。それは判定者の信頼性によります。いかに実績のある人が評価しているのか。いかに多くのワインを対象とし、公正な厳しい審査がなされるかなどがポイントです。

ワイン通の間ではともすると悪名高い「金賞」の首掛け。よくスーパーなどのワイン棚で見かけます。数百円のワインでも金賞が取れてしまうコンクールが、上質なシャンパン選びの参考になる訳がありません。
ご褒美に相応しいシャンパンを選ぶなら、その賞の背景にある「権威性」を見極める必要があります。

コンクールかメディアか

コンクールは基本的にエントリー制で費用がかかります。そんな賞など無くても完売するワインの生産者はエントリーしません。なのでワイン評価メディアの方が、対象となるワインの母数は多くなります。
一方でコンクールは通常、大人数の審査員が評価します。そのため採点基準の共有が行われ、審査員の好みが反映されにくくされます。対するワインメディアは、実績ある個人のテイスターが1人で点数を決めるため、多少の好みの傾向(癖)を掴んでおく必要があります。

また、ワイン単位なのかブランドの評価なのかも、特にシャンパンにとっては重要です。ノンヴィンテージのシャンパンが5年前に高評価を取っていても、今流通しているものとは差があります。
一貫した品質を測る「ブランドランキング」の方が、新しい生産者ブランドを選ぶ際の参考になります。

TOP30入りのおすすめブランド

シャンパーニュ・パルメは非常に受賞歴の多い生産者です。
中でも信頼性の高いのが、イギリスの専門誌「Drinks International」による評価。これは1967年に創刊した、半世紀以上に渡り世界の酒類業界の動向を追い続けている専門誌です。判定するのは一般消費者ではなく、マスター・オブ・ワインなどの称号を持つ専門家です。

その2021年のランキングにて、ルイ・ロデレールやポル・ロジェ、クリュッグなどの有名生産者が上位をとるなか、パルメは第23位に選ばれました。フィリポナやランソン、マムなどより上位でした。ちなみにその2026年版では第25位に選ばれており、高評価は健在です。

シャンパン生産者としての総合力が評価されているのです。ならばスタンダードクラスからまず飲んでみるというのが王道でしょう。

参考:Drinks Internationalウェブサイト

青田買いすべきシャルドネ生産者

このG.X.クロシェが受賞した「Les Jeunes talents du Champagne」というのは、決して国際的に知名度が高いわけではありませんが、注目すべき理由があります。設立15年未満の小規模生産者だけを対象にした、ブラインドテイスティングによる審査だという点です。シャンパーニュのあるマルヌ県が直接バックアップしており、歴史は短いものの信頼性があります。優良な若手生産者を各国のバイヤーに発掘してもらうためのコンクールを自治体が主催しているというわけです。

自社畑からシャンパンをつくる小規模生産者の場合、国際的なコンクールで注目されることはあまりありません。売れなくても困りますが、世界的に有名になりすぎても共有量がないのです。なのでこういった小規模なコンクールでも注目に値します。

2018年のコンクールにて、シャルドネ部門の最優秀賞に輝いたのが、G.X.クロシェのこのキュヴェです。その年に審査されたシャルドネでつくられるシャンパンのNo.1です。総栽培面積はわずか9ha。世界中が見つける前に、今から青田買いしておくべき”まだ”隠れた逸品です。

参考:Les Jeunes talents du Champagneウェブサイト

生産者が互いに評価する「スペシャルクラブ」

複数のシャンパン生産者がつくる「スペシャルクラブ」という規格があります。
これは1971年に設立された「クラブ・トレゾール・ド・シャンパーニュ」という、小規模生産者の団体に加入しているメンバーが造る、特別なミレジメ・シャンパンです。
特筆すべきは、ベースワインの段階と3年以上の瓶内熟成を経た出荷前、2度にわたり生産者自身がブラインドテイスティングで審査することです。生産者は当然、自分のシャンパンはスペシャルクラブとして発売したいです。一方でそのブランドを守るプライドがあります。
その厳しい審査に通過したシャンパンだけが、「Special Club」の文字が刻まれた特別な形状のボトルでリリースされます。
生産者が互いに審査する特別なシャンパンという信頼感。期待に応えて「おお!」と言わせてくれるはずです。

スペシャルクラブのワインを探す

ご褒美の機会にこそ!手の届くレアシャンパン

「あの生産者のシャンパン、飲んでみたいな~」そう思いつつ、切っ掛けがなくて試せていないものはありませんか?
飲んでみたいけれども飲んでない。それはきっと、レアであまり手に入りにくいシャンパンではないでしょうか。自分へのご褒美は、そんなレアなシャンパンを造る生産者の、手の届くスタンダードクラスを試してみるのにピッタリです。

総合的な「美味しそう」の期待

レアなシャンパンに「美味しそう」と期待する要因は、決して一つではありません。

「レア」とは、需要が高く供給が低いということです。いくら品質が高いものでも、知名度が追い付いて需要が高くならないと「レア」とは言わず「マイナー」です。
「マイナー」なワインが「レア」になっていく。その切っ掛けはワイン評価メディアであることが多いです。先述の高評価ワインとの違いは、その切っ掛けが分からなくなるほどワイン界隈にその名が広まっていること。高評価で数量が少ないからこそ、SNSなどで盛んに投稿され、あなたの目に触れる機会も増えます。

ワインショップの一軒が「レアなシャンパンですよ!」と言っても説得力は弱いです。なんとなくよく目にするけれども、多くのショップで売り切れているからこそ、「確かにレアだ」となり、飲んでみたくなるのではないでしょうか。

スタンダードなら手が届く

今回はレアなシャンパン生産者のスタンダードクラスをご紹介します。小規模生産者の中では、ある程度の生産量がある方で、スタンダードならある程度安定供給されます。だからこうやって紹介できるのです。本当に数が少なければそんな隙なく完売しているでしょう。

エグリ・ウーリエとギィ・ラルマンディエはともに自社畑のブドウのみからシャンパンをつくる小規模生産者です。「そういえばこれ、飲んでみたかった!」というのに当てはまれば、今週末のご褒美にいかがでしょうか

これらの生産者がつくるトップキュヴェは、発売後一瞬で完売するほどで、その希少さに相応しい価格です。自分へのご褒美でそのスタイルが口にあうかをスタンダードクラスで確かめ、上級シャンパンは人生の節目に狙うのがいいでしょう。


「美味しそう」と期待するからこそ満足

人は期待値が高いほど、それ応えられた時の満足度は高いそうです。「美味しそう」と思うからこそ、ご褒美として「また頑張ろう」と思えるほどの充実感が得られるのです。

しかし「〇〇だから美味しい」と一言で断定できない奥深さがワインの魅力でもあります。高品質なワイン・シャンパンをつくるには、非常に多くの要素が関わります。栽培・醸造面での様々な工夫や選択。その年ごとの気象条件とブドウへの影響。そういったもののうち、文字の情報として消費者が知って判断材料とできるものはごく一部だからです。
さらに味わいの感じ方は、個人の好みはもちろん、経験や知識、飲み方などにも左右されます。

それでも今回ご紹介したような、消費者の立場でも期待値を判断できるポイントはいくつもあります。「どれにしよう?」とワクワクしながら今週末飲むワインを選ぶ。その選ぶ時間からあなたのご褒美は始まっているのです